舞台裏・楽屋の雑談

I-Dur Virtual Orchestra's BLOG

銅賞からの脱出と新しい楽器

2014年03月13日 (木) #音楽

金管部隊が活気づくと、おのずと全パートの士気も上がって来た。
古き良き時代と言うか、なんだかんだ言ってもパソコンも携帯電話もスマホもゲームも無い時代、
部活は盛り上がっていた。
コンダクター(3年生の先輩)はピアノで音大進学を目指す人だったので、文化祭やクリスマスコンサートなどでは映画音楽やポップな曲もたくさん演奏したけど、定期演奏会やコンクールで演奏する曲はクラシック音楽の吹奏楽用アレンジ物が多かった。

2年のときのコンクールの自由曲は、ショスタコーヴィチの「祝典序曲」をやることになった。
この曲はブラス隊も活躍するし、木簡やパーカッションも出番が多い。
ホルンは早いパッセージもあれば、ちょっとしたソロもある。
万年銅賞(参加賞)の我が部にとって、なんとか次のステップに進みたく、皆練習に気合いが入っていた。

前年のコンクール以降、いろいろな音楽祭やコンサートなど、また日頃の練習のノリで、全パートのメンバー達は、なんとなく上達の手応えを掴んでいたのだろう。
しかし、この地区は強豪校がいっぱいいる、挑戦する気持ちで挑んだ本番。
最初の出だしでトランペーットが、極度の緊張であがってしまい、見事に音を外してしまったが、おかげで皆の緊張が解けたのか、後は練習通り、いや、練習以上に音が出たような、のびのびとした表現ができた。

結果は「銀賞」、創部以来初めての入賞だ。
強豪校に囲まれて金賞と違い数の多い銀賞だが、悔いの無い演奏ができ、とにかく弱小だった我が部にとっては価値のある大喜びの出来事だった。
OBや楽器を貸してくれた高校の友達も喜んでくれた。

そのとき、僕の使っていた楽器は以前のヨーロッパのセミダブルの楽器では無く、新しいアメリカ製のシルバーのフルダブルのホルンだった。
先述のコンダクターの先輩に勧められ、ホルンのレッスンを受けることになり、日本を代表するオーケストラの一流のホルン奏者であるY先生の門下で月数回だけど修行する事にした。
セミダブルホルンは鳴りは明るくいい音がしていたが、音程が悪く音によって不安定な所があり、先生の勧めでプロ御用達の輸入楽器専門店で良い楽器を選んでもらい、一大決心をして購入したのだった。

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