音大の学園祭
2014年04月01日 (火) #音大
「ホルン会」という謎の組織?があった、サークルでも部活でもゼミでもない。
ホルンの専攻生は自動的に入会していることになる、ようするにOB・先輩・後輩・先生の集まりで、飲み会の基本グループみたいなもの。日頃は練習室の確保や練習などの普段の互助活動でおとなしく平和にやっているが、学園祭や演奏会となるとやたら活発になる。
ここでは、学園祭の話。
1. 模擬店
トロンボーン会やトランペット会、各県人会やサークルなどが大小ホールで演奏会や発表会をする傍ら、中庭やエントランスの広場で模擬店が開かれる。ホルン会は「ホルンブロイ」というビール酒場をやることになった。
1年生の僕が先輩の命令でいきなり店長をすることになり、店舗設計や手続き、機材や食材の調達もすることになり、皆の力を借りて、朝早く築地や、他の市場に買い出し部隊を組んだり、なじみの店で調理器具を借りたりメニューを考えレシピを作ったり大変だった。
メニューは、焼き鳥とか焼きトウモロコシとかサラダ、魚関係、生ビールに樽酒と、けっこうまともな居酒屋風。
儲けは打ち上げ宴会代。なんとか黒字になった。
模擬店での醍醐味は、奥にステージがあって、そこで延々アンサンブルや余興が行われる。
宴会芸の名人先輩や、飛び入り演奏、アンサンブルなど。中でも超一流のオケのレギュラーである先輩や先生を交えてのセッションがすごかった。まじめにすごく聴き入っているといきなり冗談音楽になったり、超絶技巧になったり、普段聞く事のできない演奏会だった。
2. ホルン会のコンサート
一番大きなホールでホルン会のコンサートの順番が回って来た、約1時間程。20人近くいたと思う。フレンチホルン、ワーグナーチューバなどで大アンサンブル。
前半は極々まじめに気品高く始まるのだが、後半は「楽劇」になる。
楽劇といっても、要はお笑いの舞台で、ホルンオーケストラに合わせての寸劇大会。
曲目は当時の巷で聞いた事のある曲、「スターウォーズのテーマ」「スーパーマンのテーマ」「ガッチャマンのテーマ」「水戸黄門のテーマ」「オリジナルの変な曲」...
学生がスーパーマンやR2D2や水戸黄門やガッチャマンになってバカバカしい寸劇をして、超満員のホールを湧かせた。
衣装もスーパーマンなどは、青いパジャマに赤いパンツをはかせて、「S」の字は手書き、マントは風呂敷。
スターウォーズのロボットのR2D2は、段ボールで張りぼてをわざわざ作ったりした。
やたら受けてしまったので、このパターンはその後、永く続く事になってしまったそうだ。
3. オーケストラのコンサート
こちらは、至ってまじめにしっかりとした演奏会。授業の一環で練習して来た曲のコンサートで、定期演奏会や演奏旅行などのプログラムと違って、自由な選曲で(プログラムは、ほとんど指揮者とコンマスの好みだったような気もするが)、アンコールも楽しい曲が選ばれる。
開演前はホールの前に行列ができ、わざわざこの為に、遠くから来てくれるお客さんもいたと聞く。
オーケストラは、何部かあって、Aオケ、Bオケ、ブラスオーケストラや、有志のオケなどてんこ盛りだった。
音大に野球部があった、この野球部は酒をのみながら野球の話をする野球部だったが、実はすごいビッグバンドサークルだった。
学園祭の夜の部で大活躍をする学生やプロの先輩も混ざったビッグバンド。
クラシック一切無しの、ビッグバンドジャズのバトルセッション。もちろんライブハウス形式で、酒も出る。
中庭にテント貼って大音量でやっていたから、近所の人は夜遅くまでうるさかっただろうなぁ。
4. オペラ
学園祭のオペラはメインイベントというか、醍醐味だった。フィガロの結婚や、コジ・ファン・トゥッテなどのオペラを舞台装置や演出、オーケストラ、どれをとっても超本確定にやる。
しかも、すべて日本語でやるのでとてもわかるし、おもしろい。
オケの降り番の時は、エキストラでロウソク持ちの召使いの役や、合唱ではフォルテ要員としていろいろやらせてもらった。