MC-4とアナログシンセ。CV-GATEの時代
2016年03月01日 (火) #スタジオ
アナログシンセが全盛の頃、スタジオでは様々なシンセを持ち込んで作曲家やアレンジャー、ディレクターの意向をくんで、その場で音を作り加工し、エフェクトを掛けて、キーボーディストが演奏する。(手弾きと言った)
アナログシンセはCV(音程制御用の電圧)と、GATE(発音タイミングの信号)で発音する。これを任意のステップ数を一定のリズムで走査することで反復自動演奏させたりしていた。
2019年06月28日 (金) #
1980年初頭、このころからすでにシーケンサーやリズムボックスなどはあったが、大がかりだったり準備に時間がかかったりで、まだ一般的ではなかった。アナログのステップシーケンサーやアルペジエーターは、一定のパターンを作って繰り返すのが関の山。
そのころ自社には、1977年発売の、Rolandの「システム700」と「MC-8」があり、使用していたが、スタジオに運んでセットアップして打ち込みや音作りとなると、相当大きなプロジェクトでないと時間と予算があわず、あまり使わなかった。
そこに80年代になって、MC-8 の使い勝手を大幅に改良し, System-100M などに合わせたミニ・ジャック仕様の「MC-4」が登場した。
2019年06月28日 (金) #
その他、4chのトラックがあるので、これらのCV、GATEに変換される値を、他の用途に当てはめることも可能。コントロールチェンジやアフタータッチなどは、MIDIがでるまでお預け...
元々、譜面やスコアを読むことが得意な僕は、MC-4の早打ちパーフォーマーとして、重宝がられた。
今のように、ハードディスクやRAMや、メモリカードなどを装備していないので、打ち込んだデータはカセットテープに記録していた。懐かしの、「ピィーガガガ」の音で録音していたわけだが、MC4Bは、MTR-100という、専用デジタル・カセットに高速で、なんとなくランダムアクセス風にデータを記録することができたのも画期的だった。
このころ、MC-4とシンセだけで録音した映画音楽シリーズ、「サウンド・シアター」と言うCDを、本多俊之氏のアレンジで、ソニーレコードから出版した。1985年のことである。
この後、MIDI搭載シンセや、OP-8やデジアトムといった、MC-4のCVとGATEのデータを、MIDIデータに変換するインターフェイスが現れるまで、しばらくアナログシンセとMC-4の仕事が続く...