レスピーギ:交響詩「ローマの松」 第4楽章「アッピア街道の松」
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Pines of Rome, Movement IV Pines of the Appian Way
Respighi(1879〜1936)
イタリア - この曲は、静寂のなかから始まる壮大な音のドラマです。冒頭、低弦とティンパニがピアニッシモで重々しく脈打ち、まるで古代ローマ軍の行進が遠くから近づいてくるかのよう。クラリネットやファゴットが不気味に鳴り、荘厳な雰囲気を作り出します。やがてトランペットやホルン、トロンボーンが加わり、徐々に音の波が高まっていきます。最後には6本のバンダ(金管群)も加わり、まるで千の軍勢が進軍するかのような圧巻のクライマックスへ。重厚な金管と打楽器が空間を揺るがし、観る者の胸に迫る壮麗なフィナーレを迎えます。最初の静けさに耐えた先には、時空を超えたローマの栄光が目の前に広がり、まるで歴史の中に飲み込まれるような感覚を味わえます。静と動の対比が極限まで研ぎ澄まされた名曲です。
Respighi Italy ロマン派音楽 交響詩 シンフォニックオーケストラ 力強い 幻想的 (Release:2012/08、Update:2025/07)